CH124

◆第124回 人文科学とコンピュータ研究会発表会

主査: 鹿内菜穂
幹事: 河瀬彰宏、北﨑勇帆、後藤真、山田太造

※重要・ご注意※
第124回研究会は、新型コロナウイルスの影響に鑑み、オンラインで実施することにいたしました。発表要領・参加要領につきましては、下記をご確認ください

【参加費(聴講)】

種別金額
研究会登録会員無料
学会正会員2000円
学会会員学生500円
学会非会員学生1000円
非会員3000円

情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会(IPSJ SIG Computers and the Humanities)では、下記の通り第124回研究会発表会の開催を予定しております。歴史、地理、芸術、民俗、文学、言語、社会などなど、様々な人文科学の諸領域での情報資源の記録、蓄積、分析、提供や応用に関わる研究発表をお考えのみなさまはぜひ奮ってご応募ください。

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 日時 2020年9月5日(土)
 発表申込締切 2020年 7月22日(水) 7月29日(水)
 原稿提出締切 2020年8月12日(水)
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(1)募集内容

※ロング/ショートいずれも2p~8pの予稿の提出が必要となります(この範囲であれば枚数は自由です)。
※予稿のフォーマットは情報処理学会のページをご参照ください。
※今回は一般口頭発表のみと致します。

(2)申込方法

(3)オンライン発表について

プログラム

2020年9月5日(土)

10:45-11:00 開会挨拶

※すべてのセッションが一般セッション(ロング)。入れ替え時間等を発表時間内に含みます。

11:00-12:00 セッション1

11:00-11:30 
(01)歴史的行政区域データセットβ版をはじめとする地名情報基盤の構築と歴史ビッグデータへの活用
○北本朝展(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター、国立情報学研究所)
・村田健史(情報通信研究機構)

 過去の世界や社会の状況を分析する歴史ビッグデータ研究を進めるには、歴史的な地理情報を統合的に活用するための基盤が不可欠である。しかし歴史的な地理情報は緯度経度へのマッピングが容易ではないこともあり、地名というエンティティを単位として情報を統合し可視化する技術が重要な役割を果たすことになる。そこで本発表は「歴史的行政区域データセットβ版」をはじめとする各種の地名データセットを概観するとともに、歴史GISに対する位置づけや歴史ビッグデータ研究における地名の活用などにも触れる。

11:30-12:00
(02)源氏物語本文研究支援システム「デジタル源氏物語」の開発におけるIIIF・TEIの活用
○中村覚(東京大学)
・田村隆(東京大学)
・永崎研宣(人文情報学研究所)

 「デジタル源氏物語」は、『源氏物語』に関する様々な関連データを収集・作成し、それらを結びつけることで、『源氏物語』研究に加え、古典籍を利用した教育・研究活動の一助となる環境の提案を目的としたシステムである。本発表では、特に本システム開発におけるデータ構築とアプリケーション構築について述べる。具体的には、TEIを用いたテキストデータの作成や現代語訳との関連付け、IIIFを用いたくずし字OCRの活用やテキストデータとの関連づけなどの手法について述べ、その有用性を検証する。

12:00-13:00 休憩

13:00-14:30 セッション2

13:00-13:30
(03)形態素解析部の付け替えによる近代日本語(旧字旧仮名)の係り受け解析
○安岡孝一(京都大学)

 明治から戦前にかけての日本の文学作品は,いわゆる旧字旧仮名で発表されている.これらの作品を,できれば旧字旧仮名のままで解析したい.旧字旧仮名の係り受け解析システムは,管見の限り作られていないようだ.ただし,UDPipeをはじめとする多言語係り受け解析システムの多くは,形態素解析部と係り受け解析部に別々の言語モデルを導入可能な設計となっている.ならば,これらの解析システムの形態素解析部を,旧仮名口語UniDicや近代文語UniDicに付け替えて,係り受け解析部には現代日本語(新字新仮名)モデルを使い回すと,一体どうなるだろう.どの程度の解析精度が得られるのだろう./n本稿では,7種類の現代日本語係り受け解析システムに対し,それぞれの形態素解析部を,近代文語UniDic・旧仮名口語UniDic・近世口語UniDicに付け替える実験をおこなった.結果について報告する.

13:30-14:00
(04)Pali Text Society 版パーリ語文献を対象としたテキスト検索システムの構築
○渡邉要一郎(東京大学史料編纂所)
・永崎研宣(一般財団法人人文情報学研究所)
・大向一輝(東京大学大学院人文社会系研究科)
・下田正弘(東京大学大学院人文社会系研究科)

 上座部仏教の聖典言語であるパーリ語の文献研究は、Vipassana Research Institute によって制作された電子テキストとその検索システムである Chattha Sangayana CD(CSCD)によるデジタル化の波を大きく受けた。しかしこの CSCD が依拠している電子テキストは、ビルマ第六結集版という研究者が標準的に用いるテキストでないものにもとづいたものであった。一般に研究者が用いている標準テキストは Pali Text Society(PTS)によって出版されたものであり、パーリ語の単語や文の位置している頁・行数は PTS 版のそれに従って記述されるのが通例である。そこで筆者は、研究者のニーズを踏まえ、PTS版の電子テキストを用いてPTS版の頁・行番号が簡単にとれる検索システムを作成した。

14:00-14:30
(05)仏教研究におけるテキスト検索の現状と課題
○永崎研宣(一般財団法人人文情報学研究所)
・大向一輝(東京大学)
・下田正弘(東京大学)

 仏教研究において、テキスト検索は今やなくてはならない重要な位置を占めている。検索しやすく、かつ、研究者にとって見やすいテキスト検索には、Google検索等とは異なるニーズが存在する。発表者らは、SAT大藏經DBを通じて2008年よりWebを通じてテキスト検索サービスを開発・提供してきた。本発表では、2020年にデファクトスタンダードとなっているWeb技術を用いることで提供可能な検索サービスと、そこにおける留意点について検討する。

14:30-14:45 休憩

14:45-16:45 企画セッション

●新型コロナ禍におけるCH研究会研究者の活動:2019年度末から2020年度前期を振り返る
登壇者:
・鹿内菜穂(亜細亜大学)
・耒代誠仁(桜美林大学)
・堤智昭(筑波大学)
・小風尚樹(千葉大学)
・阪田真己子(同志社大学)
・村井源(はこだて未来大学)
・北﨑勇帆(高知大学)

 新型コロナウイルス感染症の影響で、教育・研究機関は混乱の中で様々な対応を行ってきた。本研究会も、情報処理学会第82回全国大会のオンライン開催への変更を受け、研究会30周年記念であったイベント企画を中止し、また定例の研究会は時期を遅らせてオンライン開催するなど対策を講じてきた。多くの不安と混乱の中、CH研究会研究者は、それぞれどのような活動に取り組んでいたのだろうか。新型コロナウイルス感染症が確認された2019年度末から2020年度前期における教育や研究活動等を、各研究者の記憶と記録から振り返る。そして、2020年度後期の展望とともに、コロナ禍はこれから人文科学とコンピュータ分野にどのような影響を及ぼすのか、ウィズコロナ時代を見据えて検討したい。

16:45- 閉会

お問い合わせ先

ch-madoguchi■jinmoncom.jp(@を■に変更しています )


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